HOME >  北海道のコンクリート構造物 > 橋梁構造物 >  カムイ・ニセイ橋

橋梁構造物

カムイ・ニセイ橋

写真出典:「北海道のコンクリート橋 第6集」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)

構造物名 カムイ・ニセイ橋
構造形式 PCフィンバック箱桁橋(片持ち構造)
構造諸元 橋長 53.0m
支間 43.0m
発注者 北海道開発局 石狩川開発建設部
設計者 (株)ドーコン
施工者 三井住友建設(株)
所在地

札幌市(豊平峡ダム) 42°54′56″N,141°09′18″E

完成年 2008年(平成20年)
概要

 本橋は、豊平峡ダムの管理橋であるが、ダムを訪れる観光客を安全にダムへと渡すアクセス路としての役割も担う橋長53.0m のPCフィンバック箱桁橋(片持ち構造)であり、国内初となる形式である。

 架橋地点は、ダム堤体右岸の岩体がダム完成後30年を経て、風化による亀裂が生じ崩落の危険性が高くなり、長期的な安全対策を実施する必要があった。平成15年度から学識経験者による「豊平峡ダム斜面対策技術検討会」にて調査・検討が行われ、このダムの利用者である市民アンケート調査結果により橋梁案で整備を進める方針となった。

 本橋の特徴は、ダム堤体部に荷重を負担させない「片持ち構造」にある。先端部がたわみ下がることのないよう橋台側で全荷重を支持する構造であること、ダム湖水位による桁高制限及び橋面高の制約条件を満足することより構造形式は「PC フィンバック箱桁橋(片持ち構造)」とした。

 また、本橋は常時大きな偏心荷重を受ける国内で最大規模の片持ち構造であることから、長期的な安全性を確保するため、岩盤自体は非常に大きな強度を期待できるものであるが、不測の事態(岩盤の風化・劣化,大地震など)に備えて背面に永久グランドアンカーを設置している。

 今後も長きにわたり観光客に親しまれる存在であり続けることを期待されている。

引用文献:「北海道のコンクリート橋 第6集」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)
PAGETOP