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その他

石狩LNG基地No.3LNG貯槽

写真提供:北海道電力㈱

構造物名 石狩LNG基地No.3LNG貯槽
構造形式 PC製防液堤外槽一体型 平底球面屋根付円筒竪形貯槽
構造諸元 容量230,000kL(高さ59.7m,内径86.0m)

防液堤:外径89.6m,内径88.2m,高さ44.05m,壁厚0.7~1.05m
基礎版:直径92.5m,厚さ1.3~1.7m
基礎杭:鋼管杭(SKK490)588本,杭長50.0~51.0m
事業者 北海道電力(株)
設計者 川崎重工業・清水建設JV
施工者 川崎重工業・清水建設JV
所在地

石狩市 43°12′25″N,141°17′28″E

完成年 2018年(平成30年)
概要

 本LNG貯槽は、液化天然ガス(LNG)を燃料とするコンバインドサイクル発電方式を採用した石狩湾新港発電所(2019年2月運転開始)の燃料貯蔵設備として、石狩LNG基地に設置されたものである。本LNG貯槽の容量は230,000kLと国内最大級であり、防液堤および基礎版コンクリートの打込み数量は約20,000m3である。

 コンクリートには、液密性を確保するための温度ひび割れ抑制および産業副産物の有効利用を目的として、同種工事において国内で初めて結合材の30%をフライアッシュ(北海道電力(株)苫東厚真発電所4号機産JISⅡ種適合品である「ほくでんフライアッシュ」)で置換したセメントを採用している。フライアッシュの採用にあたっては、ひび割れ抑制や耐久性向上効果に着目した事前配合試験を重ね要求性能を満足することを確認するとともに、断熱温度上昇試験や自己収縮試験等の実施により温度特性や硬化特性を明らかにする等、今後の同種工事へのフライアッシュ適用拡大の道筋を示した。

 また、基礎版コンクリート約10,000m3の施工にあたっては、品質確保の観点から、石狩市および隣接する札幌市の生コンクリートプラント7社より生コンの供給を受け、一昼夜(約24時間)かけて一括打込みを行っている。打込みにあたっては、予備の生コン打設機材を配置することや生コン資材の供給管理体制の構築等、万全のリスク回避策を講じた上で、道内過去最大規模のコンクリート一括打込みを延べ約600名の人員および約2,000台のミキサー車を要して実現している。

引用文献:「コンクリート工学 Vol.56 No.7」(公益社団法人 日本コンクリート工学会)
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