橋梁構造物

上姫川橋

写真出典:「北海道のコンクリート橋 第1集」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)

構造物名 上姫川橋
構造形式 3経間連続鉄筋コンクリートラーメン箱桁橋
構造諸元 橋長 80.0m
支間 15.9+48.0+15.9m
発注者 北海道開発局 函館開発建設部
設計者 北海道開発局、北大工学部横道研究室、北海道開発コンサルタント(株)
施工者 住友建設(株)
所在地

森町 42°04′50″N,140°35′42″E

路線 一般国道5号
完成年 1966年(昭和41年)
概要

 本橋は、世界最初のプレストレス鉄筋コンクリート(PRC) 工法を用いた突桁を有するラーメン橋で、架設時およびラーメンの併合後のひび割れに対して、ひび割れ安全度が1.1になるようにプレストレス量が定められており、RC構造の歴史で画期的な橋梁である。これは北海道大学の横道英雄博士の考案によるもので、RC構造のひび割れ安全度を超過する部分に少量のプレストレスを導入することによりRC構造のもつ大きな欠点を補い、また高張力鉄筋を有効に使用出来、RC構造の長大径間橋梁への適応性が著しく高められた。この他にも鉄筋にはSDC40を本格的に使用し、特に主鉄筋にこの種の最大径のφ32を用いたこと、主鉄筋の継手にFYカップラーを用いたこと、箱桁のねじりの計算に変断面を考慮したこと、RC構造となっている部分にも塑性設計を採用したことなど多くの試みがなされた。

 施工上の特色は、本橋の架設にFYカップラーを用いて突出架設工法を採用したことである。柱頭部はフーチング上面より支保工により立ち上施工され、その後ワーゲンにより突出架設された。

 架設完了後、構造的な挙動、設計条件を確認するための載荷試験および長期応力の測定が行われ良い結果を得ている。

引用文献:「北海道のコンクリート橋 第1集」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)
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